個人の人材紹介における手数料相場は法人と同じ。それでも活用するメリットは?

「個人事業主なら安く済むのでは?」というイメージを持たれがちですが、人材紹介の手数料自体は法人と基本的に変わりません。

ただし、個人事業主は経営判断のすべてを自身の裁量でできるため、柔軟性は高いです。条件交渉のしやすさや、意思決定のスピード感を評価して、あえて個人事業主を選ぶ企業も少なくありません。

本記事では、個人事業主が運営する人材紹介を活用するメリットやリスク、法人との違いを踏まえた最適な選び方を解説します。

個人事業主の人材紹介を検討している採用担当者の方は、ぜひ最後までお読みください。

この記事で分かること

  • 個人事業主の人材紹介の手数料相場
  • 個人事業主運営の人材紹介を活用するメリット
  • 個人事業主運営の人材紹介を活用するリスク
  • 手数料が安い人材紹介会社を選ぶ時に頭に入れるべきこと

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個人事業主の人材紹介の手数料相場

個人事業主の人材紹介手数料は、法人と同様に「理論年収の30〜35%」が基本相場です。

理論年収は、月額給与(基本給+諸手当)の12ヶ月分に想定される賞与(ボーナス)を合算した、入社後1年間の総支給見込み額です。一般的に、通勤手当(交通費)は計算に含まれません。

ただし、個人事業主は自身の裁量で決裁できるため、大手よりも柔軟な価格交渉がしやすくなります。社内稟議や複雑な承認フローが不要なため、予算や採用背景などを汲んだ柔軟な条件提示が期待できるからです。

かけだしのフリーランスであれば、実績を作るために、相場より低い料率(20%程度)で契約できるケースもあります。

人材紹介は、個人事業主・法人の事業形態にかかわらず、採用したい職種や求める人材要件を基準に判断することが大切です。

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個人事業主運営の人材紹介を活用するメリット

個人事業主運営の人材紹介を活用するメリットは、以下の通りです。

個人事業主運営の人材紹介を活用するメリット

  • メリット①|担当者の裁量が大きく、柔軟な対応ができる
  • メリット②|業界・職種特化型が多く、マッチング精度が高い
  • メリット③|意思決定が早く、採用スピードが上がる
  • メリット④|料金交渉・条件設計の柔軟性が高い

メリット①|担当者の裁量が大きく、柔軟な対応ができる

個人事業主運営の人材紹介を活用するメリットのひとつは、要望に合わせて柔軟に対応してもらいやすい点です。小規模であればあるほど、業務を個人で対応するため、企業と求職者の間で情報の伝達ロスや認識のズレが起きにくくなります。

特定のポジションに急ぎの採用ニーズがある場合でも、担当者が状況をすぐ理解し、候補者探しや推薦を迅速に進められるのはメリットです。

一方、大手は分業制のため社内調整に時間がかかり、個別の事情に合わせたスピーディーな動きが取りづらくなります。

メリット②|業界・職種特化型が多く、マッチング精度が高い

個人事業主の人材紹介は、特定の業界や職種に強い傾向があります。なぜなら、個人事業主が参入する際は、大手と差別化するために「特定の領域に特化する」戦略をとるケースが多いからです。実際に、自身の出身業界や経験のある職種(IT、不動産、医療など)に絞って開業する事業者が目立ちます。

業界の内情や専門用語に精通した担当者であれば、企業が求めるスキル感や現場の課題を深く理解できます。候補者に対しても実体験に基づいた情報提供ができるため、入社後のミスマッチを抑える効果も期待できます。

メリット③|意思決定が早く、採用スピードが上がる

個人事業主はすべての業務を自身で完結できるため、意思決定のスピードが早くなります。大手紹介会社では、企業担当と候補者担当に分業されており、情報共有や承認手続きに一定の時間が必要です。

また、担当者の数が多い分、どうしても能力に個人差が生じます。もしスピード感に欠ける担当者に当たってしまうと、連絡待ちの時間が増え、選考が停滞するケースも少なくありません。

対して個人事業主の場合、契約条件の調整や候補者推薦、面接調整などの全フローを一人で判断できるため、採用スピードが向上します。急な募集でも、個人事業主ならその場で対応方法を判断し、即座に候補者を探し始めることが可能です。

メリット④|料金交渉・条件設計の柔軟性が高い

個人事業主による人材紹介は、料金や条件を交渉しやすくなります。紹介手数料に上限が設けられているものの、その範囲内であれば料率や返金条件などは企業と紹介会社の合意で設計できます。

大手の場合は社内規定や料金テーブルの存在により交渉するのは容易ではありません。個人事業主は裁量が広いため、状況に応じた最適な条件を提示しやすい仕組みです。

返金保証期間の延長、支払いタイミングの調整など、企業にとって負担の少ない条件を提示してもらえる可能性もあります。

個人事業主運営の人材紹介を活用するリスク

個人事業主の人材紹介は柔軟性や専門性などのメリットがある一方で、一定のリスクも存在します。以下では、個人事業主運営の人材紹介を活用するリスクについて確認していきましょう。

個人事業主運営の人材紹介を活用するリスク

  • リスク①|担当者依存が強く、品質が属人化しやすい
  • リスク②|候補者プール(母集団)が限定的になる
  • リスク③|契約・法令運用が甘いケースがある
  • リスク④|倒産・廃業リスクが相対的に高い

リスク①|担当者依存が強く、品質が属人化しやすい

個人事業主に人材紹介を依頼する主なリスクは、品質が担当者の能力に直結する点です。個人事業主は組織的なチェック体制がないため、担当者のスキルによって対応品質にばらつきが出やすくなります。

また、担当者が病気や家庭の事情で稼働できなくなった場合、業務を代行できるスタッフがいません。

一方、大手の人材紹介会社では、企業担当や候補者担当、バックオフィスが連携し、一定の品質を保つ仕組みが整っています。

個人事業主の場合は、こうした組織的な品質担保が期待できない点が構造上のデメリットといえます。

リスク②|候補者プール(母集団)が限定的になる

母集団が限定的になりやすい点も、個人事業主運営の人材紹介を活用するリスクとして挙げられます。個人事業主が運営する紹介は、大手のように大規模な候補者データベースや広告予算を持っていないケースが多くなります。

専門領域に特化している場合は強みになる一方で、特化していない領域の人材を探す際には候補者数を確保しにくいです。また、候補者の属性が偏りやすいため、個人事業主が得意とする領域に候補者が集中し、企業のニーズとズレるケースもあります。

リスク③|契約・法令運用が甘いケースがある

個人事業主の場合、契約書や法令順守の運用が甘いケースが一部見られます。大手のようなコンプライアンス部門が存在しないため、どうしても担当者個人の知識レベルに依存してしまうからです。

例えば、返金規定が曖昧なまま契約を進めてしまったり、紹介手数料の計算方法が不明確だったりすると、後々のトラブルにつながります。また、候補者の個人情報管理ルールが不十分だと、情報漏洩のリスクも高まります。

このようなトラブルを防ぐためには、契約書の作成を相手任せにせず、企業側(発注者側)が主導権を持って確認することが重要です。

具体的には、契約締結前に以下の3点をチェックしましょう。

チェック項目

  • 返金規定に「入社後〇ヶ月以内の退職なら、何%返金する」と明記されているか
  • 理論年収に賞与やインセンティブが含まれるか
  • 候補者の職務経歴書をどう管理・破棄するか

相手の提示する契約書に不安がある場合は、修正を依頼するか、自社で用意した契約書の雛形を使用するのがおすすめです。

リスク④|倒産・廃業リスクが相対的に高い

個人事業主は、法人と比較すると倒産・廃業リスクが高い傾向があります。

資本や組織規模が小さいため、急な廃業によって「返金が受けられない」「選考が止まる」といった実害が生じる恐れがあります。大手のような組織的な引き継ぎも期待できません。

リスクを避けるため、契約前に必ず「運営歴」や「導入実績」を確認しましょう。長期間安定して運営されている事業者は経営基盤が固く、突然のトラブルリスクも低いと判断できます。

手数料が安い人材紹介会社を選ぶ時に頭に入れるべきこと

前章では、個人事業主特有のリスクについて解説しました。個人事業主は柔軟性がある反面、品質や安定性に課題があることがわかります。

こうした点を踏まえると、柔軟性と安定性を両立できる法人の人材紹介会社を選ぶのが現実的です。

ここからは、手数料が安い人材紹介会社を選ぶ時に頭に入れるべきポイントを紹介します。

手数料が安い人材紹介会社を選ぶ時に頭に入れるべきこと

  • ポイント①|返金規定が厳しい場合がある
  • ポイント②|結果的にコストが高くなる可能性がある
  • ポイント③|紹介の質が下がる可能性が高い

ポイント①|返金規定が厳しい場合がある

手数料が安い人材紹介会社は、代わりに「返金規定を厳しく設定している」ケースが少なくありません。

返金条件が曖昧なまま契約を進めてしまうと、退職が発生した後に想定以上の費用負担が残るケースもあります。特に第二新卒やフリーターなど定着リスクが高い採用では、返金条件が厳しいほど企業側の負担が増えます。

そのため、手数料が安い紹介会社を選ぶ際は、返金条件を紙面で確認しましょう。

ポイント②|結果的にコストが高くなる可能性がある

手数料の安さだけで人材紹介会社を選ぶと、トータルコストが割高になる恐れがあります。自社に合わない人材の推薦によって、採用工数や機会損失が発生するためです。

手数料の安いエージェントの中には、成約数を優先するあまり、要件を十分に満たさない候補者まで幅広く推薦してくるケースがあります。その結果、本来不要な面接対応に現場社員の貴重な時間が奪われてしまいます。

さらに痛手なのが早期離職です。採用費が無駄になるだけでなく、教育コストも水の泡となりかねません。

こうしたリスクを踏まえ、手数料率だけで判断せず、採用工数や入社後の定着まで含めた視点で検討しましょう。

ポイント③|紹介の質が下がる可能性が高い

手数料の安い人材紹介会社を利用すると、質の低い人材を紹介されるリスクも高まります。

手数料が安い会社では、エージェント一人ひとりが大量の企業を担当している可能性があります。そのため、求人票のスペック条件だけで機械的にマッチングされ、企業の社風や詳細な業務の魅力まで候補者に伝達されません。

結果として、志望度が低いまま面接に来たり、本当に欲しい人材を取りこぼしたりする事態を招きます。

このような事態を防ぐためには、特定のエージェントに依存せず、複数の人材紹介サービスと接点を持つことが大切です。

とはいえ、多くの紹介会社と個別にやりとりするのは、大きな負担になりがちでしょう。

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まとめ

「個人事業主=手数料が安い」と思われがちですが、実際は法人と同じ理論年収の30〜35%が相場です。

個人ならではの裁量の大きさや意思決定の速さは、採用スピードを重視する企業にとってメリットになります。

一方で、担当者への依存度の高さや法令面のリスクには注意が必要です。安易に手数料の安さだけで選ぶと、採用コストが膨らむ恐れもあるため、採用工数や入社後の定着まで含めたうえで判断しましょう。

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