労働基準法とは?CAが押さえるべきポイントと求職者サポートのコツ

求職者の転職成功をサポートする上で、労働基準法の知識は不可欠です。求職者の中には、社会に出はじめたばかりでまだ労働基準法を意識したことがない人もいれば、少し知ってはいるけれど具体的にどう自分に関係しているのかわからない人がいます。

労働基準法は、労働者が正当な権利を持って働いていけるよう守る法律です。求職者の人生にもかかわる転職を成功させるためにも、労働基準法の基本は理解しておきましょう。

この記事では、労働基準法の概要から、CAとして押さえるべきポイント、そして求職者サポートに活かすポイントまでを詳しく解説します。

労働基準法はなぜ押さえておくべきなのか

労働基準法は、働く人々の権利を守り、公平な労働環境を確保するための基本的な法律です。

人材紹介会社で求職者をサポートするにあたっては、この法律の概要を理解し、求職者に適切なアドバイスをすることが求められます。具体的には、労働条件の確認や交渉、転職後のトラブル予防など、多岐にわたる役割があります。

労働基準法の基本

労働基準法の定義と目的

労働基準法は、1947年に制定された法律で、労働条件の最低基準を定めています。

具体的には、労働条件の決定、労働契約、賃金、労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇、安全及び衛生、年少者及び女性の特別保護、災害補償、就業規則など、労働に関する広範な事項について規定しています。これらの規定により、労働者の基本的な権利を保護し、公正な労働条件を確保することを目指しています。

労働基準法の特徴として、「強行法規」であることが挙げられます。これは、たとえ労働者と使用者の間で合意があったとしても、この法律で定められた基準を下回る労働条件は無効となり、法律で定められた基準が適用されるということです。

適用範囲と主な内容

労働基準法は、原則としてすべての労働者に適用されます。ここでいう「労働者」とは、職業の種類を問わず、また労働時間も問わず、事業または事務所に使用されて賃金を支払われる者のことを指します。つまり、正社員だけでなく、パートタイマーやアルバイト、契約社員なども労働基準法の保護対象となります。

ただし、同居の親族のみを使用する事業や家事使用人、農林水産業の一部などには、労働基準法の一部または全部が適用されない場合があります。これは、労働の特殊性を考慮したものです。

労働基準法の主な内容には以下のようなものがあります。

  1. 労働契約:労働条件の明示義務、労働契約期間の制限など
  2. 賃金:支払いの原則、最低賃金、割増賃金など
  3. 労働時間:法定労働時間、休憩、休日など
  4. 年次有給休暇:付与日数、取得義務など
  5. 解雇:解雇制限、解雇予告など
  6. 安全衛生:労働災害の防止、健康診断など
  7. 就業規則:作成・届出義務、記載事項など

知っておきたい最近の改正ポイント(2023年・2024年の変更点)

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労働基準法は、社会の変化や労働環境の変化に応じて、適宜改正されています。最近の主な改正ポイントを知って、求職者に対しても求人票作成・チェックに際しても役立ててください。

2023年からの改正

これまで大企業だけの適用でしたが、中小企業においても、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が50%に引き上げられました。この改正により、長時間労働の抑制と、労働者の健康保護が期待されています。

また、一定の条件下でデジタルマネーによる賃金支払いが可能になりました。これは、キャッシュレス決済の普及や、多様な働き方への対応を目的としたものです。ただし、労働者の同意や、一定の要件を満たすデジタルマネーに限定されるなど、細かな規定があります。

2024年からの改正

建設業における時間外労働の上限規制が、他の業種と同様に適用されることになります。建設業では、これまで猶予期間が設けられていましたが、この措置が終了し、原則として月45時間、年360時間の上限が適用されます。ただし、臨時的な特別の事情がある場合の特例など、一定の配慮措置も設けられています。

時間外労働の上限も全般的に規制されました。時間外労働は月45時間、年360時間以下が上限と定められ、この時間を超える残業時間が基本的に禁止されています。

有給休暇の取得義務化もおこなわれています。
労働者が年間10日以上の年次有給休暇をもらっている場合、そのうち年5日間は必ず年次有給休暇をとることになります。これは労働基準法上の義務となるので、有給取得がその範囲以下になった場合、対象の労働者一人当たり30万円以下の罰金を会社が払う可能性があります。

CAが押さえるべき労働基準法のポイント

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労働契約に関する規定

労働契約は、労働者と使用者の間で結ばれる重要な取り決めです。労働基準法では、労働契約に関して以下のような重要な規定を設けています。

まず労働契約を結ぶ際、使用者は労働者に対して労働条件を明示することが義務付けられています。具体的には、労働契約の期間、就業の場所や従事する業務の内容、始業・終業時刻や所定労働時間を超える労働の有無、休日・休暇、賃金、退職に関する事項などを、書面で示す必要があります。これは、労働者が自身の労働条件を正確に理解し、適切な判断ができるようにするためです。

労働基準法では、労働契約に関する「無効条項」も定められています。例えば、労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定したりする契約は無効とされます。これは、労働者の意思に反して労働を強制することを防ぐためです。

キャリアアドバイザーとしては、サポートした求職者が内定を受けた際に、これらの条件が適切に明示されているか確認することが重要です。特に、労働条件通知書の内容を丁寧に確認し、不明な点があれば企業に質問するよう助言しましょう。また、早期離職になってしまう可能性を減らすために、違法な契約内容や不当な条件が含まれていないかもチェックする必要があります。

労働時間・休憩・休日に関する規定

労働時間、休憩、休日に関する規定は、労働者の健康を守り、ワークライフバランスを確保するために非常に重要です。

労働時間については、原則として1日8時間、1週間で40時間を超えてはならないと定められています。これを「法定労働時間」と呼びます。ただし、特定の条件下では、変形労働時間制やフレックスタイム制など、柔軟な労働時間の設定が認められています。

休憩については、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を与えなければなりません。この休憩は、原則として労働時間の途中に与えられます。

休日に関しては、毎週少なくとも1回、または4週間を通じて4日以上の休日を与えることが義務付けられています。これを「法定休日」と呼びます。ただし、業種や職種によっては、変形休日制を採用することも可能です。

賃金に関する規定

賃金は労働の対価であり、労働者の生活を支える重要な要素です。

まず、賃金支払いの5原則を覚えておきましょう。これは、賃金を①通貨で、②直接労働者に、③全額を、④毎月1回以上、⑤一定の期日に支払わなければならないというものです。

ただし、現実的に正社員であれば毎月一回銀行振り込みが行われるのは通常です。労働者と企業で合意がとれていれば、月2回の給与支払いや当日払いなども起こりえます。

また、最低賃金法により地域別の最低賃金が定められており、これを下回る賃金での雇用は禁止されています。細かい部分にはなりますが、該当地域の最低賃金を上回っているかは確認が必要です。

時間外労働、休日労働、深夜労働(22時から翌5時まで)には割増賃金を支払う必要があります。割増率は、時間外労働が25%以上、休日労働が35%以上、深夜労働が25%以上となっています。また、1ヶ月の時間外労働が60時間を超えた場合、その超過分については50%以上の割増率が適用されます(中小企業は2023年4月から適用)。いまでは固定残業代を定めて、都度残業時間と残業代の計算をするのを省く企業もあります。

解雇・退職に関する規定

解雇と退職に関する規定は、労働者の雇用の安定を守るために非常に重要です。労働基準法では、これらについて以下のように定めています。

解雇については、使用者は労働者を解雇する場合、少なくとも30日前に予告をするか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払う必要があります。これは「解雇予告制度」と呼ばれ、労働者が突然職を失うことによる生活の混乱を防ぐためのものです。

また、以下のような場合には解雇が制限されています:

  1. 労働者が業務上の負傷や疾病のために療養中である期間及びその後30日間
  2. 女性労働者が産前産後の休業期間中及びその後30日間

さらに、労働契約法では、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は、権利の濫用として無効とされています。これは「解雇権濫用法理」と呼ばれ、不当な解雇から労働者を守るための重要な原則です。

退職については、期間の定めのない労働契約の場合、労働者はいつでも退職の申し入れをすることができます。退職の申し入れから2週間を経過すると退職の効力が生じます。一方、期間の定めのある労働契約の場合、やむを得ない事由がある場合を除き、契約期間中の退職は認められません。

キャリアアドバイザーとしては、求職者が前職を退職する際や、新しい職場での試用期間中の取り扱いについて、適切なアドバイスができるようにしましょう。特に、解雇予告や退職の手続き、退職金の取り扱いなどについて、詳しく説明できるようにしておくと親切です。また、不当な解雇や退職勧奨に直面した場合の対処方法についても、知識があるとより頼りにされるでしょう。

有給休暇に関する規定

年次有給休暇(有給休暇)は、労働者のリフレッシュや私生活の充実のために重要な制度です。

まず、労働者は、6ヶ月間継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合、10日間の有給休暇を取得する権利があります。その後、勤続年数に応じて付与日数が増加し、6年6ヶ月以上継続勤務した場合は、年間20日の有給休暇が付与されます。

また、パートタイマーなどの短時間労働者にも、所定労働日数に応じて有給休暇が付与されます。例えば、週4日勤務の場合、6ヶ月継続勤務後に7日の有給休暇が付与されます。

さらに、2019年4月からは、使用者は10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年5日については、労働者の希望を聴取し、その意見を尊重した上で、時季を指定して取得させることが義務付けられました。これは、有給休暇の取得促進を目的とした改正です。

有給休暇の取得に当たっては、原則として労働者の請求する時季に与えなければなりません。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合には、使用者は他の時季への変更を求めることができます(時季変更権)。

CAとしては、求職者が転職先でも適切に有給休暇を取得できるよう、この規定を理解し、説明できるようにしておくことが重要です。特に、有給休暇の付与条件や日数、取得方法などについて、詳しく確認するよう求職者にアドバイスしましょう。また、企業の有給休暇の取得率や取得しやすい雰囲気についても、面接時に確認するよう促すことが大切です。

以上が、CAが押さえるべき労働基準法の主なポイントです。これらの知識を活用することで、求職者により適切なアドバイスを提供し、よりよい転職支援を行うことができるでしょう。

求職者サポートに活かす労働基準法の知識

キャリアアドバイザー(CA)として、労働基準法の知識を求職者サポートに活かすことは非常に重要です。ここでは、具体的な場面ごとに、どのように労働基準法の知識を活用できるかを詳しく解説します。

面接時に確認すべき労働条件

求職者が面接に臨む際、労働条件について詳しく確認することは非常に重要です。CAとしては、以下の点について確認するようアドバイスすることが大切です。

まず、具体的な業務内容と期待される役割について確認することを勧めましょう。求人票に記載されている業務内容は、往々にして抽象的であることが多いです。面接では、日々の具体的な業務内容や、その職位に期待される役割について詳しく聞くことが重要です。これにより、求職者自身のスキルや経験が適しているか、また今後のキャリアプランと合致するかを判断することができます。

次に、実際の労働時間と残業の頻度を確認するよう助言しましょう。求人票に記載されている労働時間は公式なものですが、実際の現場ではどうなっているのか確認することが大切です。特に、繁忙期の残業頻度や、休日出勤の有無などを具体的に聞くことで、ワークライフバランスを保てるかどうかの判断材料になります。また、36協定の内容や、時間外労働の上限管理の方法についても確認するとよいでしょう。

休日・休暇の取得実績についても重要な確認事項です。有給休暇の付与日数だけでなく、実際の取得率や取得しやすい雰囲気があるかどうかを確認することが重要です。また、夏季休暇や年末年始休暇、慶弔休暇などの特別休暇の有無も確認しましょう。これらの情報は、求職者の生活設計に大きく影響します。

賃金の内訳(基本給、諸手当、賞与など)についても詳しく確認するよう勧めましょう。給与総額だけでなく、その内訳を詳しく確認することが大切です。基本給や各種手当の内訳、賞与の有無や支給実績、昇給の仕組みなどを聞くことで、将来的な収入の見通しを立てることができます。また、時間外労働の割増賃金率や、深夜勤務手当の有無なども確認しましょう。

最後に、昇給・昇進の制度や評価基準についても確認するよう助言しましょう。キャリアアップの機会や、それに伴う処遇の変化について確認することは、長期的なキャリアプランを考える上で重要です。評価制度の詳細や、昇進・昇格の条件、キャリアパスの例などを聞くことで、その企業での将来像をイメージすることができます。

これらの情報を事前に確認することで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。CAとしては、求職者がこれらの点を確実に確認できるよう、事前にアドバイスし、必要に応じて質問例を提供するなどのサポートを行うことが大切です。また、面接後にこれらの点について求職者と振り返りを行い、不明点があれば企業に再確認するよう促すことも有効です。

労働条件の交渉術

労働条件の交渉は、求職者にとって難しい課題です。キャリアアドバイザーとしては、以下のようなアドバイスを提供することで、求職者の交渉をサポートすることができます。

まず、自身の市場価値を客観的に把握することの重要性を伝えましょう。求職者の経験、スキル、資格などを踏まえて、同業他社の給与水準や、業界の一般的な労働条件などを調査し、根拠のある要望を準備することが大切です。

次に、希望する条件とその理由を明確に説明できるようにすることを勧めます。単に「給与を上げてほしい」というのではなく、自身の能力や経験がどのように企業に貢献できるかを具体的に説明できるようにしましょう。また、労働基準法に基づいた要望(例:時間外労働の割増賃金率の確認など)は、より説得力を持つでしょう。

企業側の事情も考慮し、柔軟な姿勢で交渉に臨むことも重要です。例えば、給与の即時引き上げが難しい場合、昇給の機会や評価基準の明確化を求めるなど、代替案を用意しておくことも有効です。

交渉の結果は必ず書面で確認するよう助言しましょう。口頭での約束は後々トラブルの原因になる可能性があります。労働条件通知書や雇用契約書に、交渉で合意した内容が正確に反映されているか、必ず確認するよう伝えましょう。

転職後のトラブル予防策

転職後のトラブルを予防し、スムーズに新しい職場になじめるよう対応策を助言することもできます。

まず、労働条件通知書の内容を十分に確認するよう強調しましょう。特に、労働時間、休日・休暇、賃金などの基本的な労働条件が、面接時の説明と一致しているか確認することが大切です。また、試用期間の有無や条件、福利厚生の詳細なども確認するよう助言しましょう。

不明点があれば、入社前に人事部門に質問するようすすめます。些細なことでも、後々のトラブルを防ぐためにも、事前に確認しておくことが重要です。特に、労働基準法に関わる事項(残業代の計算方法、有給休暇の付与条件など)については、詳細を確認するよう助言しましょう。

試用期間中の労働条件や評価基準を確認することも重要です。試用期間中の給与や待遇、本採用の条件などを事前に把握しておくことで、不安なく業務に取り組むことができます。

社内規則や就業規則も熟読するようすすめましょう。就業規則には、労働時間、休憩、休日、休暇、賃金などの労働条件だけでなく、服務規律や懲戒に関する事項なども記載されています。

最後に、問題が生じた場合の相談窓口を把握しておくよう助言しましょう。人事部門や上司、労働組合(ある場合)など、社内の相談窓口を確認しておくことが大切です。また、社外の相談窓口(労働基準監督署や労働局の総合労働相談コーナーなど)についても情報提供しておくとよいでしょう。

CAのための労働基準法チェックリスト

キャリアアドバイザーが日々の業務で活用できる、労働基準法に基づいたチェックリストを以下に提示します。これらのチェックリストを活用することで、求人内容の適切性確認や求職者へのアドバイスをより効果的に行うことができます。

求人票確認時のチェックリスト

求人票を確認する際は、以下のチェックリストを活用しましょう。各項目について詳細に確認することで、労働基準法に準拠した適切な求人であるかを判断できます。

  1. 労働時間と休憩時間が明記されているか
    • 法定労働時間(1日8時間、週40時間)を遵守しているか
    • 休憩時間は適切に設定されているか(6時間超で45分以上、8時間超で1時間以上)
  2. 時間外労働の有無と割増賃金率が記載されているか
    • 36協定の締結状況が明記されているか
    • 割増賃金率は法定以上か(時間外25%以上、休日35%以上、深夜25%以上)
  3. 休日数が法定基準を満たしているか
    • 週1日以上または4週4日以上の休日が確保されているか
    • 変形労働時間制を採用している場合、その旨が明記されているか
  4. 賃金の支払い方法や締め日、支払日が明記されているか
    • 毎月1回以上、一定の期日に支払われるか
    • 最低賃金を上回っているか
  5. 各種社会保険の加入状況が記載されているか
    • 雇用保険、健康保険、厚生年金の加入有無が明記されているか
  6. 試用期間の有無と条件が明記されているか
    • 試用期間中の労働条件(特に賃金)に不当な差はないか
  7. 昇給・賞与の有無や条件が記載されているか
    • 昇給や賞与の制度がある場合、その概要が明記されているか
  8. 退職金制度の有無が明記されているか
    • 退職金制度がある場合、その概要(勤続年数による支給額の違いなど)が記載されているか
  9. 有給休暇の付与条件が記載されているか
    • 法定の日数(勤続年数に応じて10日~20日)が確保されているか
    • 付与の条件(6ヶ月継続勤務、全労働日の8割以上出勤など)が明記されているか
  10. 育児・介護休業制度の概要が記載されているか
    • 法定の制度(育児・介護休業、短時間勤務制度など)が整備されているか

このチェックリストを使用することで、求人内容の適切性を効率的に確認できます。不明な点や疑問点がある場合は、企業に直接確認することも重要です。

面接前の求職者用チェックリスト

求職者に面接前の対策を行う際は、以下のチェックリストを活用しましょう。これらの項目を確認することで、求職者がより自信を持って面接に臨めるようサポートできます。

  1. 企業の労務管理方針を調査したか
    • 企業の公式サイトやCSR報告書などで、労働環境に関する方針を確認したか
    • 働き方改革への取り組み状況を把握しているか
  2. 業界特有の労働慣行を理解しているか
    • 対象企業が属する業界の一般的な労働条件(残業の多さ、休日の取り方など)を把握しているか
    • 業界特有の課題(長時間労働など)とその改善への取り組みを理解しているか
  3. 自身の労働条件の希望を明確にしているか
    • 希望する労働時間、休日、賃金などを具体的に整理できているか
    • それらの希望の根拠(前職での経験、自己の価値観など)を説明できるか
  4. 前職での労働条件との比較ができているか
    • 前職と比較して、改善点や懸念点を明確に認識しているか
    • 条件の違いに対する自身の考えや対応策を整理できているか
  5. 労働基準法の基本的な内容を理解しているか
    • 労働時間、休憩、休日、有給休暇などの基本的な規定を理解しているか
    • 最近の法改正(働き方改革関連法など)の概要を把握しているか
  1. 面接での労働条件に関する質問事項をリストアップしたか
    • 求人票や企業研究で不明だった点を質問事項としてまとめているか
    • 労働時間管理や有給休暇取得の実態など、具体的な運用面での質問を準備しているか
  2. 企業の福利厚生制度を把握しているか
    • 法定外の福利厚生(住宅手当、家族手当、社員旅行など)の有無を確認しているか
    • それらの制度が自身のニーズに合っているか検討したか
  3. キャリアプランと照らし合わせて求人内容を評価したか
    • 職務内容や労働条件が自身のキャリアプランと合致しているか検討したか
    • 中長期的なキャリア形成の観点から、この求人の魅力や課題を整理できているか
  4. 労働条件交渉の方針を決めているか
    • 交渉可能な条件と譲れない条件を明確に区別できているか
    • 交渉の際の具体的な提案や代替案を準備しているか

このチェックリストを用いてブリーフィングを行うことで、求職者はより自信を持って面接に臨むことができます。各項目について詳しく説明し、必要に応じて具体例を示すなど、求職者の理解を深めるサポートを行いましょう。

内定後の確認事項チェックリスト

内定を受けた後、求職者に以下の確認事項をチェックするよう助言しましょう。これらの項目を確認することで、入社後のトラブルを未然に防ぎ、スムーズな就業開始を支援できます。

  1. 労働条件通知書の内容が面接時の説明と一致しているか
    • 労働時間、休日、賃金などの基本的な労働条件に相違はないか
    • 相違がある場合、その理由について説明を求めているか
  2. 試用期間の有無と条件が明確になっているか
    • 試用期間の長さと、その間の労働条件(特に賃金)が明記されているか
    • 本採用の条件や評価基準が明確になっているか
  3. 具体的な業務内容と役割が明記されているか
    • 職務内容や責任範囲が明確に示されているか
    • 配属部署や直属の上司が決まっている場合、その情報も確認できているか
  4. 残業や休日出勤の取り扱いが明確になっているか
    • 36協定の内容(特別条項の有無など)を確認しているか
    • 残業手当の計算方法や支払い方法が明確になっているか
  5. 有給休暇の付与や取得方法が明確になっているか
    • 初年度の有給休暇の付与日数と付与時期が明確になっているか
    • 有給休暇の申請方法や取得の際の注意点を確認しているか
  6. 福利厚生制度の詳細が確認できているか
    • 社会保険の加入状況や会社負担分を確認しているか
    • 法定外福利(住宅手当、通勤手当、社員食堂など)の詳細を把握しているか
  7. 昇給・賞与の仕組みが明確になっているか
    • 昇給の時期や査定方法について確認しているか
    • 賞与の支給回数や金額の目安(過去の実績など)を把握しているか
  8. 退職金制度の有無と内容を確認しているか
    • 退職金制度がある場合、その仕組み(勤続年数による違いなど)を理解しているか
    • 確定拠出年金などの導入状況も確認しているか
  9. 服務規律や就業規則の内容を確認しているか
    • 就業規則の閲覧方法を確認しているか
    • 特に重要な規律(機密保持、副業規定など)について理解しているか
  10. 入社後の研修やサポート体制について確認しているか
    • 入社時研修の有無や内容を把握しているか
    • メンター制度など、新入社員のサポート体制について確認しているか

以上のチェックリストを活用することで、CAは求職者により適切なサポートを提供し、成功的な転職を支援することができるでしょう。

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