人材紹介会社必見!フルコミッション契約の正しい理解と歩合制を導入する際の注意点

人材紹介会社にとって、キャリアアドバイザー(CA)やリクルーティングアドバイザー(RA)の報酬体系は重要な検討事項です。しかし場合によっては法律に触れてしまう場合もあり、報酬や雇用契約に関しては正しい知識が必要です。

本記事では、フルコミッションの定義や関係する法律、メリット・デメリットや注意点を解説します。適切な報酬体系の設計に役立つ情報が満載です。

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フルコミッション契約とは

成果報酬イメージ

フルコミッション(full commission)とは、一般的には「完全歩合制」を意味します。上げた成果に応じて報酬が支払われる仕組みで、インセンティブとも似ていますがフルコミッションでは基本給の考えはなく、すべての報酬が成果に結びついているものです。

人材紹介業でのフルコミッション契約に関して、詳しく説明します。

フルコミッション契約の定義

人材紹介業界において、フルコミッション契約とは、キャリアアドバイザーやリクルーティングアドバイザーを完全歩合制で雇用する契約形態を指します。アドバイザーの報酬は、紹介した候補者が採用された場合にのみ発生し、基本給は支払われません。

つまり、アドバイザーの収入は紹介成功件数と、その紹介手数料の割合に完全に連動することになります。

売り上げ確保の観点で、報酬を歩合制にすることに興味がある経営者もいるかもしれませんが、完全歩合制にしてしまうと違法になる可能性が高いため注意が必要です。

歩合制の導入自体は可能なため、まずは関係法律について理解を深めましょう。

なぜ完全歩合制(フルコミッション契約)が違法なのか

労働契約に関しては、最低賃金や労働時間などを定めた「労働基準法」、有料職業紹介事業の適正な運営を定めた「職業安定法」などを知ったうえで条件を定める必要があります。

そのなかで、歩合制を採用する場合、完全成果報酬だと最低賃金を保証できないことから従業員としての形ではなく業務委託契約を結ぶことになります。

一方で、業務委託契約を結んでしまうと、職業安定法での「名義貸し」に該当してしまう可能性が高くなります。

名義貸しとは、有料職業紹介事業の許可証を持っていない人が許可を持つ人の名義で転職支援をしていくことを言います。つまり、CAやRAに対しては基本給を設定し、さらに追加で歩合制を導入するのがよいでしょう。

業務委託に関して詳しくは、以下の記事で事例をもとに解説しています。

人材紹介と業務委託の違法性とは?職業安定法の規定・違法のケースを紹介

歩合制を導入するメリットとデメリット

メリデメ

歩合制は導入の仕方によっては、売り上げを伸ばしていくために有効です。導入のメリット・デメリットを詳しく説明していきます。

歩合制導入のメリット

歩合制の報酬体系には、以下のようなメリットがあります。

  • 人件費の変動費化:紹介成功時にのみ報酬が発生するため、固定費を抑えられる
  • アドバイザーのモチベーション向上:成果に連動した報酬体系により、アドバイザーの働きがいを高められる
  • 優秀な人材の獲得:高い報酬を得られる機会があることで、優秀なアドバイザーを確保できる

特に、スタートアップ期の人材紹介会社にとって、固定費を抑えつつ、成果の出るアドバイザーを獲得できる点は大きなメリットといえます。

歩合制導入のデメリット

一方で、以下のようなデメリットも考えられます。

  • アドバイザーの所得の不安定さ:紹介成功数に依存するため、アドバイザーの収入が不安定になりがち
  • 法的リスク:名義貸しにあたらないよう注意が必要
  • 人材の定着率の低さ:所得の不安定さから、アドバイザーの離職率が高くなることもある

フルコミッション契約を採用する際は、これらのデメリットを十分に理解し、対策を講じることが重要です。

歩合制を採用する際の注意点

注意点

歩合制を報酬体系に組み込む場合の注意点を紹介します。先述したように「名義貸し」ととられないような仕組みにするのが最も重要な観点です。

名義貸しへの注意

もし、フルコミッション契約(完全成果報酬)で業務を頼みたい場合は、「名義貸し」とみなされないように条件を確認しましょう。人材紹介事業を行うものはすべて許可がいるためです。

名義貸しに該当しないためには、自社と業務委託したいアドバイザーそれぞれが、有料職業紹介事業の許可を持っている必要があります。

アドバイザー自身が許可を得ていない場合は、成果報酬は部分的に導入することを検討しましょう。

報酬体系の工夫

基本給+成果報酬で給料を設計する場合、基本給の額と成果報酬の割合でバランスをとる必要があります。

生活できてモチベーションを下げすぎない基本給を設定しつつ、売り上げを圧迫せずモチベーションアップに寄与するレベルの成果報酬割合を見つけなくてはなりません。

報酬額を気軽に変えることはできないため、その対人レベルでのバランスと、会社全体での収益バランスを検討しながら決めましょう。

人材紹介会社の経営に関しては、以下の記事でも詳しく紹介しています。

【図解あり】人材紹介事業の営業利益率と経営のコツをわかりやすく解説

まとめ

まとめ

フルコミッション契約は、人材紹介会社にとってなかなか導入しにくい制度です。

取り入れやすいものとして、基本給と成果報酬を組み合わせたやり方をするとメリットとデメリットのバランスをとりやすいでしょう。

成果報酬を給与体系に取り入れることで、固定費の抑制や優秀な人材の獲得につながる一方で、アドバイザーの所得の不安定さにつながることもあります。

適切な報酬体系のためには、エージェントの報酬への満足度と会社の成長のどちらもバランスがとれるラインを見極めていくことが重要です。

人材紹介事業の創業期には、報酬のあり方以外にも、多くの取り組みについて考えなくてはなりません。開業直後でこそ必要な求人開拓に関しては、ツールの導入で一気に解決を図れます。

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