人材紹介会社を始めようと事業方針を検討しているときや、事業を始めたけれども集客がうまくいっていないときは、求職者集客の方法を考えるタイミングかもしれません。
人材紹介業は、紹介する求人も必要ですが、なにより紹介先の求職者がいないと始まりません。一方で、労力や資金をかけすぎてしまうのも考えものです。集客を成功させるためには、かけるコストのバランスや、自社に向いた集客手法を選ぶこと、そして他社との差別化など、さまざまな視点で考えることが重要です。
この記事では、求職者集客を成功させるためのポイントを詳しく紹介します。
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求職者集客とは
求職者の集客とは、自社から企業に対して推薦していく求職者を確保することをいいます。その確保の方法に定義はなく、たとえば自社内のシステムに登録してもらって連絡先を確保していること、定期的に連絡をしていること、求人への応募意欲を持っていることなど、さまざまな状態がありえます。
そのなかでも、人材紹介会社で追っていくべき数は「転職希望を今持っている求職者集客」の数といえるでしょう。あるいは、「転職するならこの会社で転職サポートをしてもらいたい」と思っている人の数でもよいでしょう。
連絡先リストを持っていても、まったく転職の意欲のない人ばかりであれば紹介につながりません。潜在的にせよ顕在的にせよ、転職意欲の高い求職者にどんどんアプローチしていくことが、求職者集客でまず求められているのです。
求職者集客の種類
求職者を集客していく方法は、大枠で5つあります。
- スカウト媒体での集客方法
- SNSでの集客方法
- リファラル・口コミ・紹介での集客方法
- 検索ユーザーへのアプローチ方法
- ウェビナー・転職フェアなど不特定多数へのアプローチ方法
それぞれ、注力するにはそれなりの労力がかかってきます。自社に合うかどうかを事前に確認して、施策を始めるのがおすすめです。
各求職者集客の方法について、特徴とメリット・デメリットを紹介します。
スカウト媒体での集客方法
IndeedやAMBIなどのスカウトができる媒体や、求職者データベースでスカウトメールを打つ会社が増えています。これらの媒体に登録している求職者に対して、メッセージを送ることで自社への登録を促します。
スカウトメールは、これから転職をしようと思って媒体に登録している求職者に対して、直接アプローチしていける方法です。
メリットとしては、件名やメール本文などは多くの求職者に対して汎用的に使えるという点があります。それぞれに最適化して文面を作りアプローチすることもできる一方で、どこまでも労力を削ることもできます。できるだけ多くの人に直接アプローチしたい場合に有効でしょう。知名度が低くてもアプローチしやすい手法です。
デメリットとしては、同じアプローチをしている競合が多く、メールが埋もれてしまってそもそも読まれない可能性があります。
よくあるメールの型から外してメールの文面で他社と差別化する方法をとったり、どうアプローチしたいか、どんな人にアプローチしたいかを事前に戦略立てていくとよいでしょう。
SNSでの集客方法
SNSによる集客も有効な手段です。InstagramやX(Twitter)、LinkedIn、YouTube、Facebookなど、若い世代から中高年世代までSNSは浸透しており、情報発信の場として有効です。「ソーシャルリクルーティング」とも呼ばれることがあります。
特にLinkedInは、ビジネスパーソンのためのSNSで、職歴や学歴などの情報が充実しているため、スカウト媒体のように活用できます。
特定の人物や公式アカウントがSNSで発信して、会社の名前を知ってもらう、あるいは信頼感を上げて集客につなげるという方法です。求職者に対して役立つ情報や、その人柄を知ってもらうための情報を発信していけます。
メリットとしては、ほとんどの媒体が無料で利用ができるという点と、会社の特徴について詳しく知ってもらいやすいという点です。
デメリットとしては、発信していく情報が炎上や批判の対象ともなりうる点と、発信には労力がかかるという点です。長期的な目線で粘り強く続けていくことが求められます。
SNSごとに利用者層や好まれやすい発信方法など特徴があるため、自社の行いたい集客ターゲットと合うかどうか検証しながら導入するとよいでしょう。
リファラル・口コミでの集客方法
これまで利用したことがある人からの紹介(リファラル)や、SNSや口コミサイトからの評判での集客も一つの手法です。
意欲の高い求職者が自発的に集まってくるというのはそのままメリットといえるでしょう。デメリットとしては、積極的に自社から行う行動ではないためコントロールはできないということですが、コストをかけずに集客ができるという点は見逃せません。
たとえば、以前求職者が仕事を探していた時点では所有する求人とマッチせずに見送りになったものの、再び求職者としてやってくることや、周囲の人に勧めてくれるということもあります。
どんな求職者に対しても潜在的な顧客と考えて接すること、自社に魅力を伝えてファンになってもらうことなどがリファラルにつながる姿勢の一つです。
そのほか、自社から積極的にアプローチするとしたら、アンマッチだった過去の利用者へタイミングを見計らったうえで再度アプローチすることが挙げられます。労力はかかりますが、所有する求人でマッチするものが出てきた場合や、求職者自身のステージが変わって転職意欲や転職希望が変わる場合もあります。
リファラル増加を施策として進めるにあたっては、以下の記事も参考にしてください。
免許なしの人材紹介はあり?リファラル採用・単発紹介・副業など事例ごとに違法性を解説
検索ユーザーへのアプローチ方法
転職しようと思った時に求職者が検索しうるキーワードで広告を出すことも、有力な集客方法の一つです。
広告といってもその中でも種類があり、
- Google広告
- アフィリエイト
- 集客サイト
- オウンドメディア
など、どこに広告を置くか、どんな広告方法でやるかなどで選択肢があります。お金をかけることで広く認知を広げることが期待できるのがメリットですが、成果につながるかどうかはやってみないとわからないところもあります。種類によってはすぐに効果が見られないものもあります。
たとえばいわゆるウェブ広告は、広告を出せばすぐに多くの人の目につくようにできるのがメリットですが、目に留まるべきLP(ランディングページ)は、集客につながるような工夫や戦略が欠かせません。
単にお金だけ出せばいいというわけではなく、継続的に改善を繰り返していく必要があるので、専門の知識がなければ難しいのがデメリットといえるでしょう。
SEO対策や自社のウェブサイトでの戦略に関しては、以下の記事でも解説しています。
人材紹介のホームページ制作の目的は?基本のコンテンツや制作のポイントを紹介
ウェビナー・転職フェアなど不特定多数へのアプローチ方法
転職フェア(合同企業説明会)やウェビナーを行うと、転職意欲の高い人に対してアプローチできます。
自社の強みが伝わるセミナー内容を企画したり、転職フェアで積極的に求職者と交流したりすることで、認知度の向上と集客につなげることができるでしょう。
不特定多数へのアプローチになりがちなのがデメリットですが、顕在的な求職者とつながることができれば、今後の可能性が広がるでしょう。
集客力を上げるためのコツ
求職者集客を効果的に行うためのコツを4つ紹介します。
- ターゲットを明確にする
- 自社の強みを打ち出す
- 求職者の心理を理解する
- 紹介できる求人数を増やす
集客を強化していこうと思ったら、まずこの4つのことを行ってから実行に移すと効果を実感しやすいでしょう。それぞれくわしく説明します。
ターゲットを明確にする
集客したい求職者の属性を明確にし、ターゲットに合ったアプローチを行うことが重要です。紹介できる求人に合わせてターゲットを決めることもありますが、ターゲットを決めてからその人たちに合わせた求人獲得に向けて動くこともあるでしょう。
いずれの順番であっても、ターゲットはまず明確に定め、その年齢や職種、志向などを踏まえて、最適な集客方法を選択しましょう。
たとえばどんな悩みを持つ人なのか、どんな職に就きたい人なのか、年収はいくらくらいが希望なのかなどが、ターゲットを明確にすることで見えてきます。ターゲットが明確になることで、集客の施策の打ち方を決めやすくなり、またアプローチするための表現も方向性が決まってきます。
戦略を立てていくための要となるので、必ず明確にしておきましょう。
求職者の心理を理解し自社の強みを打ち出す
他社との差別化を図るために、自社の強みや特徴を明確に打ち出すことが大切です。得意とする業界や職種、独自のサービスなどをアピールし、求職者に選ばれる存在を目指しましょう。
転職を検討する求職者の心理や悩みを理解し、共感を得ることも重要です。求職者目線に立ったメッセージや情報発信を心がけ、信頼関係を築きましょう。
最初に定めたターゲットの状況や傾向を細かく分析することで、自社の強みの打ち出し方を決めやすくなります。どうすればターゲットに魅力的に思ってもらえるか、どんな特徴を打ち出せばターゲットの課題解決につながるとわかってもらえるかを探ります。
たとえば未経験での転職サポートに強いのか、柔軟な働き方に対して造詣が深いのか、特定の業種が得意なのかなど、ターゲットの希望を踏まえたうえで特徴を打ち出していきます。
紹介できる求人数を増やす
ひとりの求職者を得られたとしても、その人に対して紹介できる求人がなければ意味がありません。あったとしても数個であれば、他社との併用をされる恐れやそもそも離脱されてしまう恐れも出ます。
せっかく集めた求職者には、その転職意欲を持続して希望の転職先を見つけられるように、まずターゲットに合わせた求人の確保が重要なのです。
一方で、集客の時点で紹介できる求人がいくつあるかを明確に打ち出せれば、他社との差別化にもなるでしょう。
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集客コストの考え方
求職者集客にはコストがかかるため、費用対効果を意識することが大切です。
スカウト媒体は、登録者数が多いため集客効率は高いですが、利用料金がかかります。一方、SNSやリファラルは費用を抑えられる反面、効果が出るまでに時間がかかることもあります。
ほかにも、広告であればかかった広告費に対して、どれだけの求職者を確保できたのかを計算することも欠かせません。求職者一人当たりの集客コストを減らしていくために、自社に合う方法を探し、施策を改善し続けることが重要です。
集客した求職者の応募率や成約率を分析し、PDCAサイクルを回しながら、コストパフォーマンスの高い集客活動を目指しましょう。
まとめ
求職者集客は、人材紹介会社にとって欠かせない営業活動です。スカウト媒体やSNS、リファラルなど、さまざまな手法を組み合わせながら、自社に合った集客方法を見つけることが重要です。
集客力を高めるためには、ターゲットの明確化、自社の強みの訴求、求職者の心理の理解が欠かせません。また、集客コストを意識しながら、PDCAサイクルを回して効果的な集客活動を目指しましょう。
求職者集客は一朝一夕にはできませんが、工夫と努力を重ねることで、優秀な人材の確保につながります。求職者とのつながりを大切にしながら、人と企業のベストマッチを生み出せる人材紹介会社を目指してください。
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