求職者一人ひとりに向き合う人材紹介で年1.5億円の売上創出を目指す 成長戦略とcircusAGENT活用法

- 取材先企業
- 株式会社Career Art
- 社員規模
- 20名(人材紹介事業内に限る。CA業務18名、RA業務1名、アシスタント1名)
- 事業内容
- 人材紹介事業、フリーランスマッチング、ITコミュニティ事業
- 課題
- 20代~30代前半の求職者へのより深いキャリアサポート
スタートアップ業界特化での差別化
RA業務強化による両面事業の推進
20代から30代前半の求職者に特化し、一人ひとりのキャリアを一緒に描くことを大切にしている株式会社Career Art。リファラルや代理店メインの集客から求職者から指名されるエージェントになるべく、自社ブランドの確立を目指している拡大期段階の会社様です。
今回は、役員兼両面プレイヤーでもある大地様と、事業立ち上げからジョインしているCA責任者の山内様に、事業立ち上げから現在に至るまでの成長戦略、求人データベースの選定から活用方法まで、詳しくお話を伺いました。
- 株式会社Career ArtのcircusAGENT活用ポイント
- UI/UXの見やすさ使いやすさ:毎日使うツールとしてストレスなく利用
豊富な求人情報を求職者支援に活用:エージェント向け情報や選考データを提案力向上ツールに
未経験CA教育材料の一つに:詳しい求人情報により人材育成コストを削減
CS定例によるデータ活用:定期ミーティングでの数値分析と改善提案を事業成長に活かす
Career Artが目指す人材紹介事業と全体像について

人材紹介業以外も。3つの事業展開により相互シナジーを生み出す
――まず、御社の事業概要について教えてください。
大地様:弊社は人材紹介だけの会社ではなく、大きく3つの事業を展開しています。1つ目がメインとなる人材紹介事業です。正社員の有料職業紹介を中心に事業を展開しています。
2つ目がフリーランスマッチングで、正社員の人材紹介をフリーランス版で行うようなサービスです。3つ目が新規事業として現在立ち上げているITコミュニティ事業で、もともとITスクールという形でスタートしましたが、現在はコミュニティ運営に軸足を移しています。
これらの事業は相互にシナジーを生み出すよう設計されています。例えば、正社員として転職希望だった方が面談を重ねる中で独立志向が強まった場合、フリーランスマッチングへとつなげることができます。逆に、フリーランスで活動されていた方が正社員に戻りたいというタイミングでも対応可能です。
20代~30代前半のホワイトカラーメインのターゲティング
――特に注力している求職者層や、業界・分野はありますか?
大地様:求職者の年齢層は20代から30代前半の方が基本的に多い状況です。エリアとしては東京都と大阪府がほとんどを占めており、一部愛知県や福岡県などの都市圏もありますが、基本的には東京・大阪がメインとなっています。
職種では営業職が最も多く、その次に事務職、エンジニアという順番です。業界については特段絞っているわけではありませんが、一般的なホワイトカラーの求職者の方が非常に多いのが特徴です。逆に、ブルーカラーと言われるような職種の方はほとんどいらっしゃいません。
ブルーカラーからホワイトカラーに転職されたい方はいらっしゃいますが、転職先や転職希望については、ほとんどホワイトカラーです。
どこかに特化しているというよりは、市場の動向を見ながらボリュームゾーンに合わせています。結果的に求人数が多いところにご紹介していくことが多いので、IT系と人材系への紹介が最も多くなっている状態です。
転職先の会社も転職した人も良い方向に向かうよう支援したい
大地様:これは会社としての方向性というよりも、私の想いが大きいかもしれません。もともと新卒で証券会社へ入社し、数年熱心に務めた後フリーランスとして独立しコンサルをしていました。その後アドバイザーとしてCarrer Artにジョインし、いまの役員として就任するという経歴です。
その経験もあり私自身はスタートアップ界隈に友人が多いのですが、スタートアップ企業は伸びるし、社会をより良くしていく力を持っている会社だと思っています。そういうところにいい方をご紹介したいと思っています。
いい方をご紹介して、結果的にその会社の業績が伸びていき良い方向に向かっていくことで、求人企業も求職者の方も最終的には弊社もハッピーになればいいと考えています。そういう意味で、スタートアップ系の求人をどんどん増やしていきたいと思っています。
求職者も求人企業も後悔しないようなマッチングを作っていきたいというのが、弊社の基本的な考え方です。
代理店やリファラル中心の集客からマーケティング集客の増加へ
――現在の集客方法について教えてください。
大地様:基本的には自社のネットワークとして、求職者からのリファラルや自社メンバーからの声掛けによる集客が中心です。加えて、一部代理店からの送客もあります。それに加え最近始めたのは、SNSでのスカウトです。
今までは良くも悪くも代理店を含むリファラルで回していました。安定はしていますが、スケールしにくいという課題があります。例えば来月、再来月で2倍、3倍のような成長を実現するのは難しい。
そのため、将来的には代理店への依存度を下げていきたいと考えています。リファラルメインからマーケティング経由での集客を増やしていく狙いです。
最終形としては、代理店に頼らず求職者の方から「Career Artに相談したい」と思ってもらえるよう、ブランディングに取り組み始めています。
「一緒にキャリアを描く」求職者に寄り添うサポートの形

20代~30代というキャリアにとって重要なタイミングで方向性を一緒に定める
――貴社ならではの強みや特に意識していることについて教えてください。
山内様:求職者の方とのやりとりで大事にしているのが、「一緒にキャリアを描く」ことです。これは社内全体でCAが共通意識として持っています。
20代から30代前半というと、今後のキャリアを考えていく重大な時期です。30歳を迎えてから新たなチャレンジをすることも素晴らしい選択だと思いますが、これまで培ってきた経験をさらに深め、より専門性の高いスキルや業務遂行レベルを早い段階で高めていくことが、将来のキャリアにおいて大きな強みになると考えています。そのためにも、できるだけ早い段階で方向性を定め、その方の強みを活かせるフィールドで成長できればと思っています。
そのため、面談ではいろんな選択肢を提案して、ご本人が描いている将来像がどこで実現するのかを一緒に考えます。仕事面だけでなく、年齢が上がるにつれて家庭環境が変化する部分もありますので、可能性を全部開示しテーブルに並べて、「どの方向性で頑張りたいか?」を一緒に考えることを大事にしています。
こうしてご本人の希望通りに全て進めていくというよりは、「こういう可能性もあります」「逆にこうしていったらもっと描いているものに近づけるのではないですか?」と提案をするのが、会社としても強みであると思っています。
求職者に合わせた密なコミュニケーションで信頼関係を構築
――1CAあたりどれくらいの求職者数をサポートしているのですか。
山内様:ひと月あたりの初回面談の実施数は、1CAあたり平均15から20回ほどです。初回面談した上でこれから転職活動する・しない人が出てきますが、すべて含めた数字です。
そこから実際に転職サポートに入るのは半数ほどです。残りの半数の方は、もう一回今後のキャリアビジョンを考えてみて、そもそも転職しないで終わる方もいらっしゃいます。
また、例えば7月の段階で来年4月入社がいいという方もいらっしゃるので、改めて数ヶ月後にお話しするという「時期改め」のケースもあります。
面接後のこまめなヒアリングで次の対策へ活かす
――サポートの具体的な内容について教えてください。
山内様:求職者との1回あたりの面談は1時間程度です。1回の面談時間を長くとることよりも、求職者にタッチする回数を意識しているので、面談が伸びてしまう場合は日程を改めたり、時間を空けたりすることで求職者の集中力が切れないようにサポートしています。
また、面接を何社か受けたタイミングで改めてヒアリングも行っています。いろんな企業を受けての印象や、イメージが広がったかなどを確認し、段階的に深掘りしていく方法を取ることで、求職者が本当に望むキャリアを叶えられるように併走しています。
――サポートの中で特に意識していることはありますか。
山内様:弊社がサポートしている方は、未経験の業種・職種に転職したいという方が半数以上です。大前提として応募はたくさんしましょうとお伝えしています。
加えて面接対策にも力を入れており、面接終了後は必ず電話で一社一社ヒアリングをしています。「何を聞かれてどう答えたか」「答えにくかった質問はあるか」などを始め、答えられた質問でももっと良い回答を一緒に考えることで、日に日にブラッシュアップして次の面接に活かしています。
求人データベース選定の決定プロセス

求人データベース導入に至った背景と課題認識
――circusAGENTの導入経緯について教えてください。
大地様:circusAGENTの導入については、当時の役員が決定しました。もともと人材業界やフリーランス分野の知見があり、求人データベースにも詳しい方でした。circusAGENTが非常に評判がいいということで、最初circusAGENTとクラウドエージェントを入れていました。
当時の状況として、人材紹介事業を立ち上げて数年経ち、もっとスケールさせていきたいという課題がありました。自社ですべて求人開拓をするには限界があり、効率的に求人数を増やす手段として求人データベースの導入を検討しました。
求人データベース各社の特徴と違い
――他の求人データベースも複数使われたということで、使ってみてどうでしたか?
大地様:クラウドエージェントは独占求人ということに対して魅力的に感じました。ただし、RA側の手数料率と分け前が少なく感じ、その点で悩みどころでした。
また、当初の掲載求人の特徴として、circusAGENTは比較的ローレイヤーからミドル手前ぐらいまで、クラウドエージェントはミドルからハイレイヤーが多く、使い分けていました。
circusAGENTがミドルからハイレイヤーのところもカバーし始めたタイミングで、RA側の使い勝手やUI/UXなどを総合的に考えて、クラウドエージェントは解約することにしました。
現在はZキャリアプラットフォームも使用していますが、こちらは未経験層を厚めにしていきたいという目的で導入しました。
現在、使い分けの仕組みは設けていません。ただ習慣として、まずはcircusAGENTを見に行くようにしており、それで見つからなかった場合に、追加提案したい時はZキャリアを使うという流れが社全体で固定されています。
circusAGENTの優れている点:
- UI/UXが優秀で使いやすい
- リンクでもPDFでも求職者へ共有できる選択肢がある
- 求人票内で求人情報が充実している
- ミドルからハイレイヤーまでカバーしている
Zキャリアの優れている点:
- 転職回数で絞り込みができる(3社まで、4社まで、5社まで等)
- フォーマットが統一されている求人票が多い
- 基本的に別タブで開くようになっている
Career Art流circusAGENTの使い方、影響度
――普段どのように使っていますか?
山内様:私は情報を一元化したいという個人的な思いがあり、UIが見やすいのでcircusAGENTを基本使っています。
特に求人情報が充実している点が良いです。情報があればあるほど求職者の応募意思を獲得しやすくなります。例えば、会社の説明会資料が入っていることや、面接に受かった方や最近落ちた方の特徴がかなりリッチに盛り込まれている点はポイントが高いです。
また、circuAGENTのエージェント向け情報や選考データなどは、未経験CAの育成においても貴重な情報源となっており、教育コストの削減にも寄与していると感じています。
――circusAGENTの導入効果をどのように感じていますか?
大地様:費用対効果やROIの観点で言うと、かなり高いパフォーマンスが出ています。circusAGENTがないとなると弊社の経営にかなり影響を与えるレベルです。
売上創出が一番の効果として現れています。circusを使っていなければ、求人開拓に相当な時間とリソースを割く必要があったでしょう。いまはCA18名体制ですが、これに対応する求人数を自社開拓だけで賄うのは現実的ではありません。
UIの見やすさと使いやすさも、日々の業務効率に大きく影響しています。毎日使うツールなので、ストレスなく使えることで、求職者への提案準備時間も短縮でき、その分カウンセリングや面談準備に時間を割けています。
数値目標と達成状況で見る導入の費用対効果
――事業の数値目標について教えてください。
大地様:人材紹介事業全体で年間1億5000万円の売上創出を目標としています。
RA業務については、まだ始めたばかりですが、遅くとも半年後(2026年1月)から毎月1件ぐらいは継続的に決めていける状態を作っていきたいと思っています。これは一旦件数ベースで、売上や利益は置いておいた目標です。
この半年間で2ヶ月に1件か3ヶ月に1件、決定が出る状態を作っていって、2026年1月から1件ずつはRA売上創出をと考えています。
そして現在のゴールドランクの維持を目標としています。より企業さんや候補者の方に喜んでいただけるサポートをしていきたいと思っているので、そのためにはランクを維持をしたいと考えています。
求人データベース選定にあたっての選定ポイントと導入時期

――どのような企業にcircusAGENTをおすすめしたいですか?
大地様:出来上がっているエージェント以外、すべての企業にお勧めできると思います。自社の求職者と求人企業で8割9割程度マッチングできているような状況であれば導入の必要性は低いかもしれませんが、そこに少しでも機会損失やロスが起きているのであれば、年間の投資対効果を考えると非常に有効だと思います。
エージェントの規模によりますが、弊社くらいの規模であれば、年間でCA1人当たり1件circusAGENTで決めれば十分にサービス費用分の価値を発揮できます。
特に立ち上げ期の企業には強くお勧めします。自力で求人開拓するのは非常に大変で、RA人材の採用・育成コストや営業活動など時間も人手もかかります。大事な時期、限られたリソースを求職者対応に集中できるメリットは大きいです。
こうした課題を抱えている企業にとって、circusAGENTのような求人データベースは非常に有効だと思います。
導入する際に見るべきポイント、活用アイディア
――導入を検討している企業に向けて、自社に合う求人データベースの見つけ方を教えてください。
大地様:(メンバーにとっての)UIの見やすさと使いやすさを重視することをお勧めします。毎日使うツールなので、ストレスなく使えることが重要です。複数のデータベースを比較検討される場合は、実際に画面を触ってみて、直感的に使いやすいかどうかを確認することが大切だと思います。
また、CSの方のサポートも非常に有効です。弊社は定期的なミーティングで数値の分析や改善提案をもらえるので、そうしたサポートを積極的に活用しています。各社のサポート内容を確認するのもお勧めします。
編集後記
明確なターゲティングと丁寧なサポート体制で、20代から30代前半の求職者のキャリア課題に取り組んでおられる株式会社Career Art様。
「一緒にキャリアを描く」という価値観を全社で共有し、短期的な成果よりも求職者との長期的な関係性を重視している点も特徴的です。面談回数を重ね、一人ひとりに時間をかけるアプローチは、結果として他社との差別化につながっているようです。
circusAGENTの活用により、限られたリソースを求職者対応に集中し、日々の業務効率を上げつつ豊富な求人情報から提案力の強化もしています。
他社データベースを併用して使ったことがあるからこそのレビューも注目です。フェーズごとでの使い勝手や重視するポイントの違いは見逃せません。
株式会社Career Art様の取り組みは、差別化が困難になりつつある業界内で、どうやって求職者にアプローチしていくか、そして売上拡大との両立をどう考えていくかのヒントになるのではないでしょうか。