人材紹介業のホームページは、求職者や求人企業の集客ツールとしての活用や、自社ブランディングを高めるために重要です。人材紹介業を立ち上げて早速ホームページを作ろうとしても、はじめはどのように制作を進めたら良いかわからないものです。
本記事では、初めてホームページを作ろうとしている人向けに、人材紹介会社のホームページを作るメリットや目的、掲載すべきコンテンツ一覧、制作で重視すべきポイントを網羅的に説明します。
これから人材紹介業をスタートさせる皆さまの参考になれば幸いです。
人材紹介会社創業時には、求人獲得も重要な課題です。効率的な求人獲得のためには、求人データベースについて知っておくのもおすすめです。活用方法については、以下の記事を参考にしてください。
【具体例付き】求人データベースとは?メリット・デメリットも解説
人材紹介のホームページ制作の目的
会社のホームページ、いわゆるコーポレートサイトは、顧客や従業員、株主などに対して自社の情報を伝える役割を持ちます。
人材紹介会社の顧客である求職者と、求人募集を行っている企業はそれぞれ考えていることが違うため、それぞれに向けてどのようなメッセージを届けるかをまず定めた上でホームページ制作を進めます。
本章では、一般的な人材紹介会社のホームページを作る目的と、具体的なメリットを紹介します。
求職者・求人企業を集客する
転職を希望する求職者、そして求人募集を検討する企業を集めるのがホームページを作る第一の目的です。集客のためには、コンサルタントからスカウトを受けた求職者や、Web広告や口コミ経由で興味を持った人事担当者が、「この人材紹介会社に依頼しよう」と思えるようなコンテンツが必要になります。
コンテンツとしては、会社概要や事業内容、代表挨拶といった基本情報だけでは足りないかもしれません。転職活動に関するお役立ちコラムや転職実績、コンサルタントのプロフィールなど、幅広い情報を公開していくことで、より会社について知ってもらいながら意欲の高い求職者・求人企業を集客します。
ホームページに載せるべき項目は、後の章で詳しく解説します。
他社と差別化を図る
人材紹介のホームページを作ることで、競合他社との差別化も図れます。厚生労働省によると、令和4年度の有料職業紹介事業者数は28740件に上ります。大手コンビニチェーンのセブンイレブン国内店舗数21438件と比較すると、その多さは一目瞭然です。
それほど数多くある人材紹介会社の中から、自社を選んでもらうためには他社との差別化が欠かせません。
自社の特徴を適切にアピールするために、どの業界・職種の求人を多く扱っているのか、企業規模やエリア、支援スタイル、コンサルタントの特徴などを分析します。それを文章やグラフィックで可視化して、ホームページ内で分かりやすく他社との違いを打ち出すのがよいでしょう。
応募を促進する
人材紹介のホームページには、求職者の応募意欲の促進を図る役割もあります。ホームページに求人情報を載せて求職者が直接応募できる機能を搭載すれば、スムーズに人材紹介を進められるでしょう。
また、求人情報の公開・応募機能だけでなく、気になる求人を一時保存できる機能を設けているホームページもあります。応募するか悩んでいるけど、一旦保存しておきたいという求職者ニーズに応えることができる機能です。「気になる」「いいね」ボタンの通知を見て、コンサルタントは追加ヒアリングや提案につなげることもできます。
人材紹介のコンサルタントが能動的に声掛けしなくても、求職者が自発的に応募を進めてくれるような仕組みを作るのも目的の一つといえます。
顧客管理を行う
人材紹介のホームページで、顧客管理も可能になります。ホームページ内に求職者向けの会員登録フォームを設置し、名前・連絡先をはじめとする基本情報や転職条件、職務経歴書などを全て登録してもらえば、情報の一元管理もできます。
初回面談後に、メールや電話で求人紹介を行うエージェントもいます。しかし自社ホームページ内に会員ページを設け、求人紹介・応募の進捗管理を行う方法が効率的です。
既に使用している顧客管理システムがある場合は、ホームページの機能とどのように連携するか検討に入れつつホームページ制作を進めましょう。
人材紹介のホームページに入れるコンテンツ
人材紹介会社のホームページに記載すべきコンテンツについて紹介します。
基本情報(会社概要・事業紹介・所在地・プライバシーポリシー)
まず、会社概要、事業内容、所在地、プライバシーポリシーといった基本情報は、ホームページを作るうえで必須項目です。次の項目は漏れなく掲載しましょう。
<基本情報>
- 会社概要(社名、代表名、資本金、取引銀行、設立年月日)
- 事業内容
- 所在地(地図、最寄り駅からのルートも記載すると親切です)
- 問合せ先(問合せフォームまたは電話番号)
- プライバシーポリシー
ホームページの文章は、求職者と企業のどちらが読んでも分かりやすいような文章で作ることが大切です。例えば、事業内容に「サーチ型エージェント」と書いても、転職マーケットに詳しくない求職者にはピンと来ないでしょう。ホームページに訪れるターゲット層を意識しながら、適切な言葉表現で丁寧に記載すると良いでしょう。
サービスの特徴・強み
続いて、サービスの特徴や強みを記載します。先ほど述べた通り、国内の人材紹介業は2万8千事業者を超えているため、自社の特徴を記載することは必須といえます。
次の項目を参考にしながら、自社の保有求人や在籍する社員、サービス内容の特徴を分析してみてください。
<自社の強みの分析>
①求職者目線での分析
- 取り扱う求人の特徴(業界・職種/企業規模/日系大手・外資やスタートアップ中心など)
- 得意とするテーマ(リモートワーク求人が豊富、子育て世代向け特化、未経験求人が多いなど)
- 支援スタイル(国家資格キャリアコンサルタントによる質の高い面談を提供、夜遅い時間や土日面談も可能、職歴書添削に注力、面接対策のノウハウがある、面接同席を行う、入社後の定着支援を行うなど)
- 独自性(特定の業界とパイプがあり独占求人を多く集める、コーチングやスキルアップスクールなど他サービスと併用できるなど)
- 信頼性(年収アップ実績が豊富、短期間での転職支援が得意、職業紹介優良事業者認定制度の認定を受けている、Pマークを取得しているなど)
- 社員の経歴、スキル(著名な企業の出身者でメンバー構成されている、キャリアに関する有資格者が多い、何かしらの表彰を受けた優秀なコンサルタントが在籍しているなど)
②求人企業目線での分析
- 集客する人材の特徴(業界・職種/保有スキル/志向性や働き方/出身企業など)
- 独自性(自社メディアやSNS経由で集客をしている、特定の業界とコネクションがある、知人紹介が多い、独自のマッチング機能を保有しているなど)
- 支援スタイル(エージェントサービスだけでなく経営コンサルティングに注力、求人広告やRPO支援も行う、業種・職種の専任担当がいるなど)
- 信頼性(年間の採用決定数や実績を公表している、えるぼし認定や健康経営優良法人など対外的にアピールできる国の認定マークを取得しているなど)
実績紹介と口コミ
人材紹介サービスを通して、どのような経歴の求職者がどんな企業に転職をしたのか、実績を口コミとともに掲載しましょう。転職前後の業界・職種と年収に関して簡易的にまとめる方法や、求職者や企業にインタビューをして長文のコラム形式で紹介する方法、インタビュー動画を作成する方法などがあります。
お役立ちコラム
転職活動の進め方や面接対策などのコラムは、コンテンツマーケティングの視点で制作する企業が多いです。大手人材紹介会社が検索上位を独占しているような、検索ボリュームの大きいキーワードばかり狙うと、結局上位に食い込めず効果が出づらい場合があります。複数キーワードを掛け合わせたロングテールキーワードを狙いつつ、自社の得意な領域に特化した独自情報をコラム化するように心掛けてみてください。
募集中の求人一覧
募集中の求人票一覧も必須のコンテンツです。人材紹介面談を実施済みの方に会員ページ内限定で求人票を見せる方法と、ホームページに訪れた人が誰でも見れるように求人票画面を作る方法があります。
よくある質問(Q&A)
求職者、企業から聞かれる質問例をまとめて掲載しましょう。よくある質問を載せておくと、顧客の満足度を高めるとともに問合せ対応の手間を減らせます。
人材紹介のホームページ制作のポイント
人材紹介のホームページ制作で意識したいポイントをお伝えします。
ターゲットを明確にする
ホームページを作る際は、可能な限りターゲットを絞りこみ、明確に定めるのが大切です。できるだけ多くの求職者、求人企業を集客したくもなりますが、ターゲットを広げ過ぎると会社の魅力を伝えきれなくなる場合があります。
全業種・職種の支援ができると謳っていても、大手人材会社と比較したときに求人量・登録求職者数で負けてしまいがちです。
先の章でご紹介したように、自社の強み・特徴をしっかり分析した上で、ターゲットを定めるのが重要です。
デザインよりコンテンツの質と機能性を重視する
ホームページを作るときに、「かっこいいデザインにしたい」「おしゃれで可愛い雰囲気のホームページにしたい」と、見た目にこだわる人も少なくありません。人材紹介会社のホームページの役割に照らし合わせて考えると、デザインの良さよりも機能性を重視すべきなことは明白です。
求職者向けの会員登録や求人応募の動線は分かりやすいか、企業が営業担当に問合せる際のフォームは適切な場所に設置されているか、スマホで閲覧したときに情報が見やすいか、といった点を意識して制作を進めましょう。
また、採用支援した実績や転職に関するコラムを載せる場合、コンテンツの質・量ともにこだわる必要もあります。単純に「年収100万円アップできました!」という実績を掲載するだけでは、他の人材紹介会社と差別化にはなりません。
ありきたりなコンテンツを載せるのではなく、「自社ならではの目線」「独自に入手した情報」を意識しながら、顧客にとって価値のあるコンテンツを制作するのがポイントです。
SEO対策を行う
SEOとはSearch Engine Optimizationの略語で、日本語では「検索エンジン最適化」を意味します。代表的な検索エンジンであるGoogleやYahooの中で、ホームページを上位表示させるための対策がSEO対策です。
一口にSEO対策と言っても、サイト構造や設計に関する技術的な内部施策や、外部サイトから被リンクを集める外部施策、コンテンツ施策などさまざまです。本記事では詳細説明は割愛しますが、ホームページを作って終わりにしないためにも、制作当初から専門家に相談しつつ、SEO対策の方向性を定めておくと安心でしょう。
Web広告やSNSマーケティングを併用する
短期的に顧客集客を行うためには、Web広告SNSマーケティングなど、複数のマーケティング施策と掛け合わせて施策を検討する必要があります。人材紹介会社のホームページ制作の第一の目的は顧客集客であり、十分な顧客数を保てなければ人材紹介業の売上は確保できません。
Web広告の運用、ウェビナー実施、SNSマーケティング、ホワイトペーパーの作成など、複数の施策を掛け合わせて集客強化を行いましょう。
時間をかけてブラッシュアップする
人材紹介業を起業したばかりであれば、ホームページ制作に投資できる原資は限られているでしょう。大規模なWebサイトを作るには数百万円の費用がかかる上、SEO対策の効果が得られるまでに一定の時間がかかります。
いきなり完璧なホームページを求めすぎず、中長期的な計画を組み、段階的にコンテンツを増やしてブラッシュアップしていくと良いでしょう。
人材紹介のホームページ制作費用の目安
ホームページ制作の費用は、制作するページ数や搭載する機能によって金額に差が出ます。最低でも100万円ほど、複数機能を搭載する場合は500万円ほどかかるケースもあります。
予算をおさえるために、ノーコードでホームページを作るサービスや、無料のホームページ制作サービスを選ぶ人もいるかもしれませんが、SEO対策や更新頻度、各種システムとの連携を考えるとおすすめできません。
早めの段階で、複数のホームページ制作会社に見積りをとり、ホームページ制作にあてる予算を確保しておけると安心です。
人材紹介の集客を後押しするホームページを作成しよう
人材紹介のホームページは、会社の顔として多くの顧客が訪れるWebサイトであり、継続的に集客をしていくために欠かせません。他エージェントとの差別化を図りつつコンテンツを作成し、顧客管理や各種データを管理できるシステムを搭載することで、ビジネスを後押ししてくれるでしょう。
circus株式会社は、人材紹介会社の売上を加速させる人材紹介プラットフォーム「circus AGENT」を提供しています。求職者集客用に使用できる求人も多数ございますので、興味がある方はぜひ下記よりお問い合わせください。