取材先企業:株式会社日比谷花壇
業種:フラワーショップ運営、ウエディングフラワー事業、フューネラル事業、地域創生事業等
従業員数:1,790名(2023年3月) ※一部関連会社出向者含む
課題:①地方のフラワーコーディネーターの母集団形成 ②フラワーコーディネーター以外での母集団形成
採用ポジション:フラワーコーディネーター、法人営業職、地域創生事業等
採用成果:導入翌月には1名入社、現在まで地方採用15名を含む22名の採用決定
「花とみどりを通じて、真に豊かな社会づくりに貢献する」を企業理念に、生花や草木などの「花みどり」を扱う事業を幅広く展開する。1872年に創業し、吹上御所や新宿御苑の造園管理・工事を請け負うなど、日本の造園文化の礎を築いた150年以上続く歴史ある企業。
ウエディングフラワー事業では、生花を用いた空間演出やブーケをいち早く日本に導入し、現在まで世代を超えてウエディング業界を牽引し続けている。
店舗・拠点数は全国190拠点にのぼり、従来のフラワービジネスのカテゴリーにとらわれることなく、花がもたらす豊かな文化を創出する。
ウエディングフラワー事業のほか、法人営業や地域創生事業など幅広い職種で積極採用を行っており、全国規模で採用活動を行っている。
人材ポートフォリオと連動した採用計画へ、本格的に中途採用をすることに
circusAGENTを導入する以前は新卒をメインに採用活動を行っていました。年間50人程の新卒を採用するほかは第二新卒とリファラルを少々採る程度で、中途採用はほとんど行っていなかったんです。
新型コロナウイルスなど、社会の情勢が日々変化する中、事業戦略と連携した人材戦略(人材ポートフォリオ)について検討をしていました。その中で課題として挙げられたのは、地方のフラワーコーディネーターの採用や、法人営業や地域創生事業に関わる採用です。
新卒採用がメインだった弊社がこのタイミングで初めて、会社として中途採用を本格的にやっていくことになりました。
施策を打ち尽くして見えてきた「花みどり」の先入観という課題
求人広告や、自社求人への掲載、リファラルの強化など、新卒採用で利用していた採用手法を中途採用でも行いました。色々施策をやってみて、最後に行ったのが人材紹介です。
地方のフラワーコーディネーターの採用で、まず利用した数社のエージェントはブライダルや「花みどり」に特化している会社です。特にメインのエージェントは関西の人材に特化しているということもあって、西日本を中心にブライダル関連の人材はご紹介いただけていました。
当時の弊社は全国エリアで常に一定数の人材を集める必要があったので、取引している数社のエージェントさんの協力をもってしても会社として人材を求めるスピードには追いつかない状況が続いていました。本来なら取引するエージェントの数を増やせたらよかったのですが、中途採用担当は私一人だったため工数的に難しく、せっかく営業に来ていただいてもお断りしていたんです。
また、フラワーコーディネーター以外の職種である法人営業や地域創生事業で人が集まらない状況は、自社求人でも同様でした。日比谷花壇は「花みどり」に関して幅広く事業展開しており、新卒採用ではその企業イメージからお花が好きな方には自社求人から直接応募してもらえていました。しかし法人営業・地域創生事業の募集では「花みどり」のイメージから若干外れるため、自社求人では中々人が集まりません。異業種からの流入を狙いたいところですが、それも思うように進まず、ダイレクトリクルーティングを行っても、他業界からするとニッチな分野ですので中々志望度が高くスキルマッチする方が見つかりませんでした。
期待以上のスピードとメリットを感じた「circusAGENT」
そんな中でcircusAGENTに出会えたのは本当にいいタイミングでした。初めてエージェントプラットフォームというサービスを提案していただいて、プラットフォームに掲載するだけで全国に向けて求人を周知できるならいいんじゃないかと導入を決めました。それまで先行投資型の施策で難航していましたが、circusAGENTは成果報酬型だということも魅力でしたね。
正直、最初は「とりあえず使ってみよう」という感覚が大きかったんですが、導入してすぐ内定まで決まって、翌月には入社実績が出たんです。採用のスピード感も重視していたので大変ありがたかったです。
使ってみて気づいたcircusAGENTのメリットでいうと、以下の点ですね。
- 採用管理にも使えて採用業務が標準化される
- 他媒体への掲載OKにすることで、求人が拡散される
- エージェントとのコミュニケーションコストが最小化
- 請求業務も一本化
採用管理にも使えて採用業務が標準化される
導入時ご提案を聞いたとき、もしかしたらプラットフォームとしてだけではなく採用管理ツール的な使い方もできるのでは?と感じていました。実際、エージェントとの連絡をcircusAGENT上ですべて完結でき、応募者の選考ステータスも確認することができます。従来であれば採用担当者個人にメールが来ていたわけですから、業務を標準化させる点でも非常に効率的です。
実は、今後私が中途採用から外れて教育のほうに注力していくことになりまして。今まで新卒担当をしていた者数名に引継ぎを行ったのですが、過去のやり取りもすべてcircusAGENT内の情報を見てもらえばいいので、引継ぎ業務は本当に楽でした。引継ぎのほかにも、今後複数担当者で採用活動を行っていく際にも、情報が属人化しないということはとてもありがたいです。
他媒体への掲載OKにすることで、求人が拡散される
他媒体への掲載の可否を選ぶことができるのですが、この機能はかなり魅力的だと思っています。掲載OKにすることで、求人を見てくれたcircusAGENTに登録しているエージェントが他の媒体上で求人広告を回してくれるんです。待っているだけで1,400社のエージェントから求人が拡散され、プラットフォームを超えて、通常の求人媒体以上に多くの方に求人が届くわけですから、めちゃくちゃいい機能だなと思っています。
エージェントとのコミュニケーションコストが最小化
circusAGENTの求人票フォーマットには、通常の求人票とは異なる項目がいくつかあります。「内定者情報」や「選考のポイント」など、既存のフォーマットにはない項目が含まれており、導入初期から作り込む必要がありました。ただ、こういった項目って、弊社が今まで十分に検討し切れていなかった「エージェントに企業や求人の魅力を深く理解してもらうために伝えなければいけないポイント」でもあったんですよね。改めて、求人の魅力について検討する機会にもなりました。
エージェントとの個別のやり取りだと、エージェントに作成していただいた求人票をチェックする工程があります。この際に求める人物像に乖離がないようすり合わせが発生しますが、ここを丁寧にやらないとその後の推薦の質が変わりますので工数を割いて取り組まなければいけません。さらにその前にリーガルチェックや稟議の起案、契約の紙面でのやりとりもしなければいけないことも鑑みると、採用業務が格段に効率化されるので、助かっています。
求人の最初の作りこみは多少工数が必要でしたが、ひとつ完成させてしまえば他のエリアや職種に流用できます。何より、それまではエージェントと個別にコミュニケーションを取る必要があったわけですから。そう考えると、circusAGENT上でコミュニケーションも一本化できて本当に楽になりました!
請求業務も一本化
請求業務が一本化されたことでも業務削減になりました。
弊社の場合、紹介手数料は募集している事業部が負担するルールになっています。エージェントごとに請求のタイミングが内定承諾起算なのか入社日起算なのかで異なっていると管理が大変でしたが、circusAGENTは間にcircusが入ることで支払いのタイミングが統一されたので、部門間の連携もしやすくなりました。
全国のエージェントとのつながりで、ブライダル以外の採用も成功
コロナ禍の中でcircusAGENTの利用をスタートさせ、現在までで22名の方に入社していただきました。人材紹介で入社した方のうち、半数近くがcircusAGENT経由での採用という内訳で、このうち、北海道・東海・関西・北九州・熊本などの地方採用が15名。circusAGENTを通して全国のエージェントとつながれたことの成果ですね。今まで直取引ではブライダル特化のエージェントとしかやり取りしたことがありませんでしたが、circusAGENTでは本当に色々なエージェントが推薦してくれます。
さらにこれ以外にもポジティブな成果がありました。効果が出ているのを感じて、「じゃあこの職種にも使ってみよう!」と、少人数募集ながらスキルを求める職種もcircusAGENTで募集をかけてみたんです。海外デスクというポジションで、「花みどり」の事業への共感に加えてビジネスレベルの英語力とEC事業への適性も求められるので、採用が難しい職種ではあったんですが、なんとこちらも成果として2名採用し、無事充足となることができました。
「circusAGENT」で実現する、多様な人材とつながる採用展開
お話を聞いたときには「プラットフォーム、いいかもしれないな」くらいの感覚で始めたのですが、まさかこんなに採用できるとは思っていませんでした。circusAGENTを導入してからは、フューネラル特化など、よほど事業にマッチしているエージェント以外は直接取引は増やしていないくらい、circusAGENT経由でのエージェント採用には満足しています。
従来の採用手法では、日比谷花壇は「花みどり」の会社、という、世間に日比谷花壇を知っていただけているからこそのイメージが、募集ポジションによっては母集団形成の壁になっていましたが、circusAGENTを通して今までお取引することのなかった幅広いエージェントに求人を届けることができ、潜在層の求職者が集まるようになりました。
コロナ禍が明け、現在ではブライダル事業も回復基調にあります。今後も引き続き、「花みどり」に直接かかわる職種の採用は自社求人で集めながら、それ以外の事業や、地方営業職の母集団形成でcircusAGENTを活用していきたいと思っています。